「復習ノート、作るのに時間がかかるわりに成績が上がらない…」という方へ。続けやすくて、ちゃんと弱点をつぶせる作り方をまとめました。基本は「①全部書かず要点に絞る ②自分の言葉で言い換える ③あとで見返せる形にする」の3つです。

ただ、多くの人は「範囲を満遍なくまとめようとして時間切れ」「作って満足して見返さない」でつまずきます。だからこそ、苦手なところに絞り・見返す前提で作るのがコツです。後半では、復習ノートより効率的な場面がある「間違いノート」との使い分けも紹介します。

復習ノートとは? まとめノート・授業ノートとの違い

復習ノートとは、教科書や参考書、授業の内容を、自分が理解しやすい形に整理し直したノートです。まとめノートとほぼ同じ意味で使われます。目的は、散らばった内容を自分の頭の中で整理して、理解を深めることにあります。

イメージとしては、分厚い教科書を「自分専用のダイジェスト版」に圧縮する作業に近いです。全部を写すのではなく、大事なところだけを抜き出して、あとで読み返せるようにまとめます。

似たノートに「授業ノート」と「間違いノート」があります。役割が少しずつ違うので、先に整理しておきます。

  • 授業ノート:授業中に板書や説明を書き取るノート。まずは記録が目的
  • 復習ノート(まとめノート):あとで内容を整理し直すノート。理解の整理が目的
  • 間違いノート:間違えた問題だけを集めるノート。弱点つぶしが目的

この記事では復習ノートの作り方を中心に説明しますが、後半で「復習ノートと間違いノート、どちらが効率的か」にも触れます。実はここが、成績が上がるかどうかの分かれ目になりやすい部分です。

復習ノートの基本の作り方(3ステップ)

復習ノートは、次の3ステップで作れます。難しく考える必要はありません。最初から完璧を目指さないことがいちばん大事です。

ステップ1:全部書かず「要点」に絞る

まず、教科書を丸写ししないことです。書くのは要点だけに絞ります。

やりがちなのが、教科書の文章をそのままノートに写してしまうことです。これをやると、ノートが「教科書のコピー」になり、時間がかかるわりに頭に残りません。書くのは、試験に出そうなところと、自分がつまずいたところだけで十分です。

イメージは、蛍光ペンで全体を塗るのではなく、逆に「いらないところを間引く」感覚です。残った少しの要点こそが、あなたにとって大事な部分になります。

ステップ2:自分の言葉で言い換える

次に、要点を自分の言葉で言い換えます。

解説をそのまま写すと、写している間は理解した気になりますが、実際には頭を通っていないことが多いです。短くていいので、「要するにこういうこと」と自分の言葉に置き換えてみてください。この「言い換える」作業そのものが、理解を深める勉強になります。

例えば「電流は電圧に比例し抵抗に反比例する」を、「電圧を上げると電流は増える、抵抗を上げると電流は減る」と言い直すだけでも、頭の中で一度かみ砕くことになります。

ステップ3:あとで見返せる形にする

最後に、あとで見返しやすい形にしておきます。

具体的には、ページの右側や下に余白を残しておきます。あとで気づいたことや、間違えた問題を書き足せるようにするためです。ぎっしり書き込んだノートは、見た目は立派でも、あとから手を入れにくくなります。

さらにおすすめなのが、要点を「問い」の形にしておくことです。例えば「オームの法則とは?」と書いて、答えを少し離して書いておきます。こうしておくと、見返すときに答えを隠して自分で解けるので、ただ読むだけより記憶に残ります。この「解き直せる形」は、後半でもう一度出てきます。

「作ったのに成績が上がらない」3つの落とし穴

復習ノートは、作り方そのものより「何を・どこまで作るか」でつまずきます。ここでは、成績につながらない典型的な3つの落とし穴を紹介します。

先に正直に書いておくと、私自身がこの3つで何度も失敗しました。統計検定2級(統計の資格試験)の勉強では、まとめノート作りに時間を取られ、肝心の問題を解く時間がなくなってしまったのです。この失敗から学んだのが、次の3つです。

落とし穴1:範囲を満遍なくまとめて時間切れ

1つ目は、範囲を満遍なくまとめようとすることです。

まじめな人ほど、最初の単元から順番に、全部をきれいにまとめようとします。しかしそれをやると、すでに理解できている単元や簡単な単元にまで時間を使ってしまいます。私も、得意なところまで丁寧にまとめてしまい、試験範囲の後半にたどり着く前に力尽きました。

対策はシンプルで、得意な単元は思い切って飛ばすことです。復習ノートは、あなたが苦手なところだけを助けてくれれば十分です。

落とし穴2:凝りすぎて続かない

2つ目は、凝りすぎることです。

色ペンで清書したり、レイアウトを整えたりし始めると、ノート作りそのものが目的になってしまいます。きれいに作ろうとするほど1ページに時間がかかり、「ちゃんと作らなきゃ」という気持ちが、だんだん続けるハードルを上げていきます。

落とし穴3:作って満足して見返さない

3つ目は、作って満足してしまうことです。

これがいちばん多い失敗かもしれません。「書いてまとめる」という行為には、勉強した感覚がしっかり残ります。私も昔は「まとめる作業そのものに価値がある」と信じ込んでいました。でも実際には、あまり見返さず、最後に残ったのは「作れた満足感」だけでした。

点数が上がるのは、ノートを「作ったとき」ではなく「見返して解けるようになったとき」です。だからこそ、次に説明する「見返す前提の作り方」が大事になります。

成績が上がるノートに変える3つのコツ

同じ復習ノートでも、少しの工夫で「成績につながるノート」に変わります。落とし穴の裏返しになりますが、3つのコツにまとめました。

コツ1:苦手なところだけに絞る

まず、苦手なところだけに絞ることです。

これは根性論ではなく、学習の研究からも支えられています。10種類の勉強法を比較した有名な研究があります。そこでは「要約(内容をまとめる)」は効果が限定的とされ、逆に「問題を解いて確かめる」ことのほうが効果が高いと報告されています(出典: Dunlosky ら 2013)。

つまり、全体をきれいにまとめることに時間を使うより、苦手なところを解けるようにするほうが、点数には直結しやすいということです。まとめる範囲は、思い切って苦手な単元だけに絞りましょう。

コツ2:忘れる前に見返す(間隔反復)

次に、見返すタイミングをあらかじめ決めておくことです。

そもそも人は、覚えた直後からどんどん忘れていきます。だから「気が向いたら見返す」だと、たいてい忘れたあとになります。そこで役立つのが間隔反復という考え方です。間隔反復とは、時間を空けて何度も復習する方法のことです。

例えば「今日・3日後・1週間後」と間隔を空けて見返すと、一気に詰め込むより忘れにくくなります。これは感覚の話ではなく、たくさんの記憶研究をまとめた分析でも、間隔を空けたほうが忘れにくいと繰り返し確認されています(出典: Cepeda ら 2006)。

コツ3:「読む」より「解き直せる形」にする

最後に、ノートを「読むもの」から「解き直せるもの」へ変えることです。

コツ1で触れたとおり、読むだけより手を動かして解くほうが記憶に残ります。そこで、ステップ3で書いた「問いの形」が生きてきます。要点を「用語Aとは?」のような一問一答にしておけば、見返すときに自動的に解き直しになります。

つまり、復習ノートを少しずつ「自分専用の小テスト」に近づけていくイメージです。ここまで来ると、次に説明する「間違いノート」との距離がぐっと縮まります。

復習ノートの次の一手:間違いノートとの使い分け

ここまで読んで、「解き直せる形にするなら、最初から問題ベースのノートでいいのでは?」と思った方もいるかもしれません。実はその通りで、目的によっては間違いノートのほうが効率的です。

間違いノートとは、間違えた問題だけを集めた「自分専用の弱点リスト」です。復習ノートが範囲全体を整理するのに対し、間違いノートは弱点だけに絞られているので、続けやすく復習にも直結します。

復習ノート(まとめノート)間違いノート
書く範囲教科書・参考書を全体的に間違えた問題だけ
目的内容を整理して理解する同じミスを繰り返さない
向いている時期学び始めの整理段階問題演習を始めたあと
続けやすさ量が増えて挫折しやすい弱点のみで続けやすい

私自身の経験からいうと、順番を変えるだけで効率はかなり変わります。教科書を読んだり授業を受けたりしたあとは、まず問題を解く → 苦手な分野を見つける → 間違いノートで深める、という順番です。この流れのほうが、時間あたりの効果は高いと感じています。復習ノートは学び始めの整理には役立ちますが、問題演習の段階に入ったら、間違いノートに重心を移すほうが効率的です。

具体的な作り方は、別記事の「間違いノートの作り方」で3ステップにまとめています。復習ノートで手応えが薄いと感じている人は、こちらもあわせて読んでみてください。

私が開発している学習アプリ「えびデッキ」も、この「弱点に絞って解き直す」という考えから生まれました。自分専用の問題集を作り、間隔を空けて復習できるようにしています。ノートと問題集を連携させ、間違えた問題からAIがカードを作り直す仕組みなども考えていますが、これらはまだ構想・開発中で、今すぐ使えるものではありません。

デジタル・AIで復習ノートの手間を減らす

「手書きは時間がかかって続かない」という人は、デジタルやAIの力を借りるのも一つの手です。ここは私自身が今もいろいろ試している部分なので、正直な実感を書きます。

まず、AIに要約の下書きを作らせると、まとめる時間はかなり短くなります。教科書の範囲や自分のメモを渡して「要点を3つにまとめて」とお願いすれば、たたき台がすぐに手に入ります。手書きの最大のコストは「書く時間」なので、そこを機械に任せる発想です。

そこで効くのが、コツ3で書いた「解き直せる形にする」ことです。AIに要点を一問一答の形に変えてもらえば、読むだけのノートより手を動かしやすくなります。デジタルの暗記カードアプリ(Anki など)でこれを作る方法は、「Ankiデッキの作り方」でも詳しく紹介しています。

もちろん、いきなり道具を変える必要はありません。今使っている参考書や既存の暗記アプリと組み合わせて、合うところだけ取り入れれば十分です。

よくある質問

復習ノートって意味ないの?

「意味がない」とまでは言えません。目的次第です。

学び始めで全体像がつかめていない段階では、内容を整理する復習ノートは有効です。ただし、10種類の勉強法を比べた研究では、内容をまとめる作業は問題演習ほど効果が高くないと報告されています(出典: Dunlosky ら 2013)。「きれいに作ること」がゴールになると成績につながりにくいので、苦手に絞り、見返す前提で作るのがおすすめです。

復習ノートと間違いノートは、どっちを作るべき?

時期で使い分けるのがおすすめです。

学び始めで内容を整理したい段階なら復習ノート、問題演習に入って弱点をつぶしたい段階なら間違いノートが向いています。両方作る余裕がなければ、問題演習期は間違いノートを優先しましょう。範囲が狭いぶん続けやすく、復習にも直結します。

復習ノートを作る時間がないときは?

3つの方法があります。

1つ目は、範囲を苦手なところだけに絞ることです。2つ目は、AIに要点の下書きを作らせて、自分は大事なところだけ足すことです。3つ目は、思い切って復習ノートをやめ、間違いノートに切り替えることです。全部をまとめようとせず、続けられる形を優先しましょう。

手書きとデジタル、どっちがいい?

続くほうが正解です。

手書きは書きながら考えられる良さがありますが、時間がかかります。デジタルは速くて、外出先でも見返せます。私は手書きで凝りすぎて挫折し、デジタルでは作ったのに見返さない、という両方の失敗をしました。どちらを選んでも「苦手に絞る」「見返す日を決める」の2つを守るほうが、道具選びより効きます。

まとめ

復習ノートは、次のポイントを押さえれば「成績につながるノート」に変わります。

  • 作り方は3ステップ:①全部書かず要点に絞る ②自分の言葉で言い換える ③あとで見返せる形にする
  • 成績が上がらない3つの落とし穴:満遍なくまとめる/凝りすぎる/作って見返さない
  • 変えるコツは3つ:苦手に絞る/忘れる前に見返す(間隔反復)/読むより解き直せる形にする
  • もっと効率を求めるなら:問題演習期は間違いノートに切り替える手もある

大切なのは、きれいなノートを作ることではなく、苦手なところを見返して解けるようにすることです。まずは今日、苦手な1単元だけ、要点を3行にまとめるところから始めてみてください。

ノートを苦手なところに絞るこのやり方を含めて、AIをどう使うと記憶に残るのかという全体像はAIで暗記する方法にまとめています。